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眠りなき夜

2010年06月28日 22:48

眠りなき夜 (集英社文庫)眠りなき夜 (集英社文庫)
(1986/04/18)
北方 謙三

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北方謙三によるハードボイルド。
利権を巡る裏社会と表社会の共謀。

最近ニュースで「政治とカネ」というキーワードをよく聞くが、
極めてナンセンスな言葉、議論だと思う。
なぜなら、政治とカネは不可分のものであるからだ。

国会議員、地方議会員に至るまで、全くもって
清廉潔白だといえる人は何人いるだろうか。

本当に政治をクリアにし、政治とカネの関係を浄化したいのであれば、
民主党の、鳩山の、小沢の、、、といった個別事案を追うのではなく、
全員を洗いざらい調べればいいことだ。

悪の傀儡となることなく、ある程度の必要悪は織り込んだ上で、
根本に持った正義に拠り、思想信条を貫けばいいのだと思う。

そんな社会の表裏、本音と建前の力学、論理を理解するうえで
ハードボイルド小説や社会派ミステリィは役に立つ。

ティファニーで朝食を

2010年06月27日 03:03

ティファニーで朝食を (新潮文庫)ティファニーで朝食を (新潮文庫)
(2008/11/27)
トルーマン カポーティ

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変わりたいという思いを胸に秘め、自らの感覚に忠実に、
時には虚飾を交え生きていく。
ふと、その根本において自分が何も変わっていないことに、気づく。
同時に、かつての自分が恵まれた境遇であったことに気がつく。
だがもう戻れない、既に自分が毀してしまったのだから。
だが、そのことも毀してみなければ気がつかなかっただろう。
毀さなければ、その恵まれた境遇も苦痛でしかなかったのだろう。

籠の中のトリが籠を毀し自由なる空に飛び立ったとき、籠の中にいれば
食いっぱぐれることは無かったのになと思うようなものか。

時に、転がる石のように、自分を取り囲むものその全てを放り出したくなる。
だが、それで変わることは本当にできるのだろうか。
変わることができるといえるし、何も変わらないともいえる。

変わること、毀すことと成長をするということ。
変わらないで、どこか鬱屈を抱えながら目の前の安定を得ることと、
(ただし、その安定は知覚できないものなのかもしれない)
変わることで自らの変化を体感する一方で、根源的な自分が
何も変わっていないこと、かつての居場所が安逸の場所であったと
いうことに気がつくということ。

人間は常にその狭間でもがくことになるのだろうか。
どうせもがくのであれば、畏れず前を向いていたい。

きらきらひかる

2010年06月23日 00:43

きらきらひかる (新潮文庫)きらきらひかる (新潮文庫)
(1994/05)
江國 香織

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ビジネスや経済書、自己啓発、推理小説にどっぷり浸かっていると
頭が固くなるような気がする。
文字が論理ではなく感情として右脳に流れ込んでくるような
小説をたまには読みたい。

大工よ、屋根の梁を高く上げよ

2010年03月27日 11:31

大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章 (新潮文庫)大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章 (新潮文庫)
(1980/08)
J.D. サリンジャー

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グラース家の長男、シーモアの結婚のドタバタを描く「大工よ~」と、
シーモアの自殺の原因を究明する弟バディのノート「シーモア~序章~」を収録。

「大工よ~」は浮世離れしたシーモアとシーモアの周りの現実に取り囲まれた
小市民の間の解離を描く。
時代的には第二次世界大戦経験世代とその後の空白世代の
思想的乖離があったと推測され、それが本作の背景となっている。

バーでトム・コリンズを注文してしまう人はきっと本作を読んでいるのだろう。

「シーモア~序章~」は挫折。

キャッチャー・イン・ザ・ライ

2010年02月28日 21:20

キャッチャー・イン・ザ・ライキャッチャー・イン・ザ・ライ
(2003/04/11)
J.D.サリンジャー

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いや、率直に言ってぐさりときたね。本当の話。
ホールデン・コールフィールドなる落ちこぼれ学生が
行き当たりばったりに彷徨する三日間の話なんだけどさ。
その行き当たりばったりがとんでもなく尾を引いて心に刺さるんだな。
彼の心の揺れはきっと君にも経験があると思う。
インチキな世の中への絶望的な気分、自分でもなんで
こんなことしちゃったんだろうとあとで理解に苦しむ言動、
逃避と孤独への欲求、妄想とかね。
とくにそのクライマックスのシーンがまたいいんだよ。
きっとサリンジャーは人間のカタチっていうものが
見えちゃっていたんだろうね。
魂のカタチっていうものがね。
いや、全くもっていい本なんだよ。これは冗談じゃあないぜ。


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