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月は幽咽のデバイス

2010年01月28日 23:56

月は幽咽のデバイス (講談社文庫)月は幽咽のデバイス (講談社文庫)
(2003/03)
森 博嗣

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もし、私が正統派ミステリィ作家で本作のトリック・プロットを思いついた
としたら、ボツにしていただろう。なぜなら、本作は本格ミステリィの戒律に
いくつかの点で抵触をしているからだ。

ミステリィの戒律とは、いわば書き手と読み手のルールで、
これに抵触をするミステリィは一般にアンフェアとみなされる。
(とはいえ、あえて戒律を破って新鮮な驚きをもたらすミステリィもあるが)

では、本作はルール違反の似非ミステリィなのか。
私はそうは思わない。
なぜなら、本作はミステリィという大衆娯楽小説を超えた
メッセージを内在しているからだ。
そのメッセージとは、人間の認識と刷り込みに関する命題である。
一見意味があるように見えて、実は意味も意図も無いというその命題は、
意図を持ちながらもそれを隠蔽し、一見純粋・善良を装う様々な事象の
存在を写真のネガのように反転し照射する。

その提示をすることこそが、著者がルール違反を犯してまで
本作を書いた動機であり、意味なのだと私は思う。
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