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水滸伝 八

2010年04月18日 02:23

水滸伝 8 青龍の章 (集英社文庫 き 3-51)水滸伝 8 青龍の章 (集英社文庫 き 3-51)
(2007/05/18)
北方 謙三

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見えてきたのは、安逸の中で生きる自分の姿であり、ほんとうに望んでいるのは、そこからの脱出だった。生きていない。そう思う。このままでは、生きたという実感も持たぬまま、一生を終えてしまうかもしれない。それを、拒みたい。自分が、思う通りきちんと生きたのだと感じていたい。

「『宋江殿は、全滅を以前から覚悟されていたのですか?』
『この宋とたちむかう。そう決めた時、生きてはいられまいと思った。いまも、それは変わっておらん。ただ、これほどに闘った者たちがいた。それは、後世にも知らしめたい』
『死んだ気でやれ、ということですね』
『前線にいる兵はみな、死んだ気で闘っている。大将である私や、軍師であるおまえが、死んだ気になれなくて、どうする』」

「林冲は、空を見あげた。しばらく、空など見ることはなかった、という気がした。雲の流れが速い。小さな雲の塊を、眼で追った。それは見る間に二つになり、薄くなり、消えた。」
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