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水滸伝 九

2010年05月05日 23:57

水滸伝 9 嵐翠の章 (集英社文庫 き- 3-52)水滸伝 9 嵐翠の章 (集英社文庫 き- 3-52)
(2007/06/28)
北方 謙三

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「『友だちとは、そんなにいいものか?』
呂方が、白勝を見つめて言った。
『いいもんか。ひとりは、わがまま勝手。もうひとりは、きわめつけの馬鹿だ。
それでも、わがままと馬鹿さ加減で、俺は生かされている』」

「袁明は袁明で、志を持っている。今は、強くそう思う。
宋との戦は、志と志の戦いでもある。まことの正義など、誰にも見えておらん。
自らが抱いた正義を、まことと思うしかないのだろう」

「すべての法は人のためにある、と言っていたのは、まだ生きていたころの父だった。
その父が、ありもしない嫌疑を受け、処断された。人を陥れるために、法が使われたのだ。」

「運ってやつは、お膳立てをきちんとやれば、むこうから転がりこんでくる。
俺たちの仕事は、いつもそうさ」

「『しかし、晁蓋殿や宋江殿は、われわれにとっては特別なのです。
梁山泊という名は、晁蓋殿や宋江殿と重なっている。』
『言っていることはわかる、李俊。それを、少しずつ特別ではなくして
いこうではないか。それこそが、人の集まりというものだろう。
特別であればあるだけ、その存在が消えた時、集団は危機に陥る。
結成されたころと較べて、梁山泊は大きくなった。そういう時こそ、
私の言ったことを考えるべきなのだ。小さいころは、まだ良かった。
梁山泊の質そのものも、変わるべきなのだ』」

「ああいう若者が、この国には多くいるだろう。気概を持った者は、
自分で梁山泊を目指してやってくるだろうが、どういう気概を持てば
いいかもわからず、ただ流され、それが耐え難いと思っている若者が。
晁蓋殿、そういう者を見抜いて眼を開かせるのも、大事なことだ。
眼さえ開けば、気概だけの者よりずっと本物になることもある」

「魯智深を助けた男。誰もがそう言った。今度は、柴進も助けた男
というのが、加えられる。それを考えると、体の底から力が湧き出してきた。
梁山泊の兵が、みんな俺を見る。憧れる。俺はそいつらに、軽く声をかけてやる。
体は鍛えているか。心が挫けてはいないか。自分を男と思えるか。
考えただけで、心がふるえた。
  ・ ・ ・
『なあ、楊林』
汲んだ糞尿を桶に移しながら、飛が言った。汲み取るのは、それほどいやではない。
桶一杯になったものを荷車で運ぶ時、振動で飛び散るのだ。下手をすると、それを
頭から浴びる。
『俺たちはな、いま人のやれねえことをやろうとしている。わかるか。高唐にゃ、
俺とおまえしかいねえんだ。梁山泊の軍は来ているというが、攻めこんじゃこねえ。
一日や二日じゃ無理だろう。下手に攻めて、柴進の狩り出しが厳しくなったら、捕まえられる。
そして、すぐに殺される。それぐらいのこと、晁蓋殿ならかんがえているさ』
『だから、俺たちが助け出すしかねえんだろう。だけど、二人だぜ。二人しかいねえ。
それに、兄貴はぶっ倒れてもおかしくないほど、疲れきってるはずだ』
『ここで、踏ん張るのよ。三日、四日眠らねえから、なんだってんだ。
男はよ、語り継がれるようにならなきゃならねえ。わかるか、楊林。
あいつはすげえって、みんなに言わせるんだ。いまだけじゃなく、
俺たちが老いぼれても、死んでもな』」
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